COLUMN

魅力ある会社にする
真の働き方改革とは

白河 桃子 氏
相模女子大学客員教授
少子化ジャーナリスト

白河 桃子 氏

魅力ある企業になるための最重要課題
経営者の覚悟と責任が欠かせない

「働き方改革」に取り組む目的は、社員の幸福と会社の成果の好循環を構築することにあります。魅力ある企業になるための最重要課題の一つといえます。

米グーグル社が社員の心理的安全性が生産性を向上させるという調査結果を公表しました。社員の安心感が高まると「関係の質」が向上し、互いを尊重し合う環境が生まれます。そこで得た気づきから自発的な行動が増え、結果として成果も上がるようになります。

そのためには、経営者の覚悟と責任が欠かせません。なぜ覚悟なのか。従来の評価・報酬体系を変える必要があるからです。評価と報酬体系を変えなければ新しい制度も機能しません。できる人ほど仕事をどんどん片付けて結果を出す一方、残業代を得ることがなくなるからです。有能な人材の流出が進んでしまいます。

まずは「働き方改革関連法」遵守
新しい働き方のビジョンを示す

具体的に何から手をつけたら良いのか分からないという企業には「まずは法令遵守を」とアドバイスしています。2018年6月に成立した「働き方改革関連法」では、1か月45時間かつ年360時間というこれまでの時間外労働の限度基準が、大臣告示から罰則のある法律に格上げされました。この法律によって、多くの経営者は「労働時間は有限である」と初めて認識したのではないでしょうか。

真の働き方改革のために経営者がすべきことは、まず法令遵守。加えて、新しい働き方のビジョンを示すことです。トップにビジョンがないと、現場を預かる中間管理職への認知・啓蒙が進みません。社員のマインドが変わるまでに1年半~2年かかるといわれているので、繰り返しアクションを続けることが重要になります。簡単なことではありませんが、やり続ければ必ず変わると思います。

上司は変化を感じさせるアクションを
充実した未来の話を一緒にしてみよう

個人の発信力が強いネット時代に社内事情を隠すのは無駄です。上司が自分の失敗を率先して公開したり、テレワークを率先して実行したりするなど、部下に「変化を感じさせるアクション」を率先して公開すれば、自然と空気も変わります。

働く若い人たちは働き方改革をどんどん利用したらいい。自分の人生(時間)を考える大きなチャンスだと思います。新しい働き方について会社・上司とディスカッションしてみましょう。そこでは、自分たちの子供や孫と暮らす充実した未来の話を一緒にしたいものです。

充実した未来のための新しい働き方こそ、魅力ある企業への一歩となるのではないでしょうか。