COLUMN

ネットネイティブ世代の
新しい働き方・活かし方

柳川 範之 氏
東京大学
大学院経済学研究科・経済学部 教授

柳川 範之 氏

3つの大きな流れ
長寿・技術進化スピード・グローバル化

ネットネイティブの若い人たちがこれからの働き方を考えるためには、まず世の中の大きな流れや変化を把握しておく必要がある。まとめると以下の3つになるだろう。1つめは寿命の伸長だ。人生100年時代などと呼ばれる長寿社会では、当然のことながらセカンドキャリアの期間も長くなる。2つめは技術の進化スピードが速いことである。IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などがあっという間に浸透してきた。長く働けば働くほど、進化スピードへの対応が求められるわけだ。3つめが、グローバル化による経済環境の変化である。例えば、新興国の台頭が日本の企業経営と従業員の働き方に影響を与えていることは間違いないだろう。

自分のキャリア形成を自分で考える
変化に対応できる備えをしていく

これらを踏まえた上での新しい働き方の基本スタンスは、一人ひとりが自分のキャリア形成を自分で考えるということである。左記3点の変化が訪れる以前であれば、勤務先に自分のキャリア形成を任せておくのが最適かつ合理的な戦略だった。現在は違ってきている。企業が実施する様々なトレーニングを有効に活用するだけでなく、自分自身で定期的にスキルアップのトレーニングを積んでいくことが求められるだろう。

居続けたいと自然と思える職場を作る
実現環境を社外へ積極アピールしたい

ネットネイティブの若い人材を上手に活かすために、企業は魅力ある職場の意味を考え、それを実現する取組が不可欠だろう。ネット社会の現代において、有望な人材を囲い込んで離さない戦略は実現不可能だ。スマートフォンやSNSの浸透によって自社の内情を隠すことは既にできないし、転職も以前より容易になっているからだ。

従業員が自然と自社に居続けたいと思う職場環境を作り上げることである。そのための情報発信も重要だ。自社の労働環境や実現しているワークスタイルを、社外へどんどんアピールすべきである。

副業(パラレルワーク)への取組も課題である。時間と場所にとらわれないで働く技術環境は整っている。大事なことはルール作りだ。パラレルワークの範囲を会社全体の持続的な方針として明確にするなど、検討する必要が出てくるのではないか。