COLUMN

メンタル疾患リスクを減らす
「職場環境」をつくるには

働き方改革には、従業員が過剰なストレスを抱えることなく働ける環境づくりが不可欠。
メンタル疾患リスクを減らすポイントを知っておこう。

業務、行動、身体症状の変化を観察する

企業にとって従業員が心身ともに健やかに長く活躍できる環境づくりは重要な課題。情報の過密化や核家族化などを背景にストレスが増大していると言われる今、特に注意を払いたいのが「メンタル疾患リスク」への対応策だ。

プロジェクト単位で定期的にメンバーが入れ替わる仕事の進め方が珍しくなくなり、同時に複数の案件を動かすマルチタスク能力が求められる中、無意識のうちに過剰な負荷や対人ストレスを抱えてしまう場合がある。

重要なのは、メンタル疾患リスクを早めに発見し、解消へと導くこと。特に管理職は日ごろから部下の様子を観察し、コミュニケーションを取りながら、気になる変化がないかをチェックする習慣を身に付けたい。

しかしながら、いきなり「ストレスを抱えていない?」と聞いても正確な情報を得にくい。心がけたいのは、「業務」「行動」「身体症状」の変化を観察することだ。まず、普段と比べて、仕事上のミスの頻度が高くなったり、業務完了までに倍以上の時間をかけたりといった様子が目立ったら、ストレスによる能率低下が考えられる。

また、遅刻が急に増えた、週末にリフレッシュしている様子が全くないといった行動面での変化もサインになる。

不調を感じていないかをヒアリングするためには、精神よりも身体症状から聞くと答えを引き出しやすい。眠れているか、食欲はあるか、頭痛や腹痛などを感じることはないかなどを聞いてみたり、そのような症状を抱えている様子がないかを観察したりする。結果、症状が確認できたら、早めの受診を進める。会社が備えている専用相談窓口があれば推奨したい。

職場のコミュニケーションやリフレッシュを促進

こういった観察を行うには、日ごろから上司と部下の間で円滑にコミュニケーションができる環境が整っていることが基盤となる。フリーアドレス制やリモートワークで柔軟な働き方を促進するのとセットで、対面式の面談を定期的に行ったり、社員同士で交流する社内イベントを企画したりと、コミュニケーション促進策に力を入れる企業もある。また、一定の業務量を超えると、個人のパソコンに「働き過ぎていませんか?」といった警告表示を出す機能など、技術活用による効果もこれからますます期待できそうだ。

ノー残業デーの浸透で定時退社が増えた企業からは「退社後の時間を使って、気の合う社員同士で親睦を深める機会も増えた」という声も挙がっている。働き方改革を通じて、社員一人ひとりの「ライフ・ワーク・バランス」を尊重しながら、個人のリフレッシュや職場のコミュニケーションにあてる時間を充実させていくことが、メンタル疾患リスクを減らすコツだ。