COLUMN

「テレワークの効果を出す壁」を越え
これからの時代を生き抜く企業に!

田澤 由利 氏
株式会社テレワークマネジメント
代表取締役

企業の4社に1社がテレワークを導入

東京都の調査※では、テレワークを導入している企業は25.1%。つまり、1/4の企業でテレワークが可能ということです。この動きは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で、さらに加速するでしょう。

一方、テレワークを導入したものの、「利用者が少ない」「想定した効果が出ない」と相談に来る企業が少なくありません。テレワークは、たとえ制度を導入しても、まだ乗り越えなくてはいけない「壁」があるのです。

テレワーク導入でぶつかる壁

「テレワークを知る壁」「テレワークの必要性を認識する壁」、そして「テレワークを導入する壁」。でも、それを乗り越えた企業の前には、「テレワークの効果を出す壁」「当たり前の働き方にする壁」が立ちはだかっているのです。

「そんなに大変ならテレワークは導入しない」とは考えないでください。これから「テレワークが当たり前」の新しい会社が増えます。若い世代が「毎日満員電車で通わなくてはいけない会社」と「どこにいても自分のパフォーマンスを発揮できる会社」のどちらを選ぶでしょうか。

 

テレワーク導入でぶつかる壁(株式会社テレワークマネジメント作成)

まずは社員全員の意識改革

壁にぶつかる根本原因は、経営者や管理職だけでなく、社員までも、「テレワークでは仕事が限られている」と思い込んでいること。テレワークでできるのは、「切り分けやすい仕事」「集中して作業する仕事」「重要なデータが入っていない仕事」。でも、そんな仕事はたくさんありません。無理にテレワークをすると、生産性が低下し、上司や同僚に負荷が掛かり、結果、テレワークしにくい職場になってしまいます。「テレワークでは仕事が限られている」ではなく、「今の仕事をどうすればテレワークでできるか」を会社全体で考え、取り組みましょう。

ICT(情報通信技術)ツールで壁を乗り越える

意識の改革に加え、「テレワークの不安」を解消するICTツールの適切な活用が重要です。テレワークだと、「コミュニケーションがとれない」「さぼるのではないか」「働きすぎるのでは」「情報が漏洩するのでは」などの不安があります。テレワークでも「会社にいるのと同じように仕事ができる」環境があれば、不安を軽減できます。クラウドサービスなどを活用して、離れていても「いつもの仕事」ができることを目指しましょう。そのためには、自社に適したICTツールを選択し、適切に運用することが重要です。

 

会社と同じように働けるテレワークを目指そう(株式会社テレワークマネジメント作成)

クラウド上で机を並べて仕事

たとえば会議をするとき、テレワークの社員がいると、会議室にパソコンを持ち込み、モニターと接続し、Web会議のURLを送って参加の準備をします。接続できないと電話をしたり、機器を確認したり。やっと会議が始まっても、会議室にリアルにいる社員で話が進み、パソコンの向こうのテレワーク社員は蚊帳の外。「やっぱり会議は会社に行かないと」ということはありませんか?

そこで弊社では、「クラウドオフィス」というICTツールを活用しています。オフィスに出社している人も、在宅勤務の人も、サテライトオフィスで働く人も、机を並べて仕事をしています。いつものオフィスと同様に、気軽に声を掛けたり、会議室に呼び出したり。事務所の賃貸料や社員の交通費をも大幅に削減できます。

テレワークでも時間管理が重要

これからの日本は、労働人口の減少により、誰もが働く時代です。テレワークだから仕事し放題ではなく、無理せず、効率よく働けるよう、労働時間管理がさらに重要になります。最近は、離れていても、細切れの時間でも、きっちり管理できるWeb上のタイムカード等も登場しています。

テレワークの「壁」は決して低くはありません。しかし、課題に向き合い、社員全員の意識を改革し、ICTツールを活用して「壁」を乗り越えた企業が、次の時代を生き残ることができるでしょう。

 

※東京都「多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)」(令和元年度)